50歳から起業するなんて、正直思ってもいませんでした。
かといって定年まで同じ会社にいて役職定年を迎えることでモチベーションが下がる中で、その環境にいるのはいいのか、とも逡巡していました。

将来の不安と起業の不安

わたしは普通にサラリーマンをしてきました。
どこにでもいる、普通の人です。

スキル的には、中国語も英語もビジネスで使うにはそれほど問題はない程度で、傑出した営業成績を出したわけでもなく、可もなく不可もなくの人材です。

会社に普通にいる、器用だけと、出来る事のひとつひとつはそれほど深くはない、という典型的な器用貧乏です。
多少、器用なので仕事が出来るように見えますが、その器用さがプロフェッショナルなスキルなのかというと、そうでもないのが実態です。

会社の中にあっては、そつなく業務はこなすし、出世もそこそこですけど、だからといって上司がぜひ引き上げたい男、といったようなものでもありませんでした。
便利だけど、それ以上の利益は上司にとってそれほどない、という部下ですね。

なんの取り柄もないというのは、語弊がありますが、取り立てて会社に貢献した実績があるわけではない自分が、51歳を機に起業しました。

正直、不安でした。
だってそれほど得意なものがない、という状態ですから。

自分の売りが決まらない日々

自分に何が出来るのか。
人に対して、どんな価値を提供できるのか。

自分のキャリア、能力、差別化ポイントなど、とにかく棚卸しです。
自分が他者よりも優れているところはどこなのか、現有リソースはなんなのか、とにかく棚卸しです。
まずこの作業をやらないと、相手に価値を届けることが出来ませんから、真剣に取り組みました。

でもですね、ひとりでこの作業をするのは非常につらいんです。
なぜなら、自分では当たり前と思っていることが、他者から見たらすごいことっていくらでもあるのに、当の本人はそれに気付かないからです。

自分が当たり前にやっていたことは、他人からしたらお金を出してまでもその能力や知識、スキルが欲しい、となります。
でも、棚卸しの段階だと、自分ではその価値に気付かないんですよね。
自分の冷静に、客観的に、俯瞰的に見ていくのは、思った以上にとても孤独な作業です。

でも、何にもない、空っぽな人はいません。
誰しも人よりも優れていて、そして人の役に立てることがあります。

なぜなら、わたしも自分はダメだ、何にもスキルや知識もない薄い人間だと、と思っていました。
棚卸しをしていても、そう思っていました。

でもある時、気がついたんです。
わたしの場合、その気付きとは何だったのでしょうか。

気付いたものは何だったのか

わたしのスキル・知識を絶対指標に落とし込むと、同じ領域のすごい人たちには勝てません。
もちろん、局所的には勝てるものもありますが、総体として戦力になるかといったら先行者である競合相手にはなかなか勝てません。

ただ、角度を変えて見た場合、この部分は勝てるんじゃないだろうか、というポイントを洗い出して、そして強みに組み換えていく作業をしました。

自分には、仕事の上で思考を形にして、実行してきた経歴があります。
ルーチンで行う仕事以外にも、今まで存在していなかった新しい施策を創造して、形に落とし込みました。

そう考えると、点と点をつなげる思考が得意で、ここに散らばっているリソースを再定義して、そして新しい施策を立案・実行するために、それらのリソースを有機的に結びつけて機能させることをやってきました。

思考職人と自分を表現しているのは、こうした仕事をしてきたからです。
その思考をまとめあげるのは、MBAで培った思考のフレームワークで、こうしたフレームワークをシンキングツールといいますが、とっても大切なものです。
学生時代にそうしたフレームワークに触れて、考えをまとめてきた経験は今までの仕事にとても役に立っています。

そうはいっても難しい

スキルや知識経験を棚卸しして、自分の強みを客観視してくのは、やっぱり難しいです。
最初はほんとうに数個しか思いつきません。

他人から見たら、たくさん見える優れた点も、自分のフィルターを通すとやっぱり見えなくなるんですよね。
試してやってみてください。

自分の強みがどれくらいあるのか、どんな細かいことでも良いです。
まずは学生時代から何をやってきて、その結果、どんなことをしてきたのか。
少しでも他の人よりも優れていることを書き出すことが大切だと思います。

一度マインドブロックが外れれば、けっこう書けるようになってきます。
ささいなことでも、自分が少しでも実績として積み上げられるものがあれば、書き出すのが重要です。
結果が失敗でも、その過程で何をしたのか、画期的なことだったり他の人がしていなかったりするものがあれば、それは自分の強みにもなります。
結果として、失敗に帰結したとしても。

自分は何者で何をしたいのか

起業を思いつく初期段階は、誰しも自分には無理なんじゃないかというネガティブな感情があります。
絶対にこれを売るんだ、これはビジネスになるんだ、というものを持っているなら別ですが、そんな人ばかりではありません。

会社を早期退職する人、やむを得ずやめる人、クビになった人、いろいろといます。
起業にいたるまでの話しは千差万別ですから、それはどうでもいいのです。

いざ、自分の腕一本でやっていこうとする時には、誰しも自分は何者で何が出来るのかを考えます。
そして何をしていきたいのか、何を通じて社会貢献していけるのか、逡巡するでしょう。

そんな時には、自分にミッションがあるか、将来のビジョンがあるかが大切になる思うのです。
なぜなら、次に述べていきます。

ミッションとビジョン

ミッションとビジョンは、情熱の源になります。
挫折した時に、自分を奮い立たせて、再度目標に向かっていくには、ミッションとビジョンが必要だと思います。

会社の仕事でもそうだと思うのですが、トラブルが起きても、目標があるからそうそうあきらめたりはしませんよね。
自分のビジネスのミッションやビジョンは、その目標に相当するものですから、しっかりと自覚をしているとちょっとやそっとで心は折れません。

まずはこのミッションとビジョンを心に決めて、そして自分の強みを洗い出す作業、棚卸しの作業をすると、そう簡単にあきらめることなく作業をすることが出来ると思います。

ところで、わたしのミッションは、次の通りです。

その人の世界と可能性を広げる手伝いをする

わたし自身、底辺の職業高校から大学へ行ったり、留学に行って修士の学位を取ったり、海外営業で異文化コミュニケーションをしたり、世界が広がる経験をしてきました。
今でももちろん、従来の自分にはない可能性として起業にチャレンジして、会社員とは違った世界を経験をし、世界が広がっている実感を持てています。

また、ビジョンはこんな感じです。

好きな場所で時間に縛られずに、自分のペースで仕事が出来て、世の中に貢献する

これをビジョンとして掲げています。
ミッションを達成するために頑張っていると、ビジョンが叶うということになります。

起業は通過点でその先にあるもの

起業に不安は絶対にあります。
自分のコンフォートゾーンが、10年20年と過ごしてきた会社とその仕事が形成しているのですから、そこから飛び出すことを考えれば誰でも不安になります。

この不安を乗り越えた先に、自分が目指す働くスタイルが待っていたり、会社員では味わえない仕事の醍醐味が待っています。
もちろん、ミッションの達成のために日々楽しく仕事をしていくこともまた、会社員では味わえないモチベーションを感じるでしょう。
さらに、ビジョンを追求することで、会社員では出来なかったライフワークバランスが実現できるでしょう。

それはまさに、わたしが達成できたことは、あなたも形は違っても同じ本質を手に入れたいのではないでしょうか?
わたしにできたことは、あなたにだって出来ます。
だって、わたしには特筆すべきスキルも経験も知識ないのに、起業できました。
そして、こうして同じ志を持つ人たちのお手伝いをしています。

そう、誰だって可能性は無限にあるのだから、チャレンジしないのは損ですよね。
わたしはそのお手伝いをすることに価値を見いだし、そしてともに喜べるようにあなたをサポートします。

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