40代50代の人が起業する時に、どうしてもアイデアがないんだよね、というのはよくある話しでしょうね。
湧き上がる情熱を伴った新規事業のアイデアは、若者の特権かもしれませんが、40代50代のミドル世代だって、起業は充分可能です。
日本政策金融公庫の「2019年度新規開業実態調査」によると、起業者の平均年齢は43.5歳だそうです。
起業のアイデアを見つけるには、テクニックがありますのでそれを見ていきましょう。
起業のアイデアを出すには思考のフレームワークが必要
MBA(経営学修士)において一番重要なことは、分析におけるフレームワークを身に付ける事です。
企業分析をする上で、必ずフレームワークを使います。
マーケティングでいえば、SWOT分析や5フォース分析があり、財務管理に至っては統計などを用いた分析手法があります。
生産管理でも、有名なところではフィッシュボーン分析があります。
これらは全て思考をデータによって整理して、課題の発見・定義とそれを解決するアイデアをまとめる目的で使用されます。
起業のアイデアが湧かないのであれば、同じようにマインドマップやマンダラートなどを駆使して、自分のキャリアにある強みを抽出して、アイデアを組み上げるのが近道です。
自分の場合は、マインドマップを良く使います。
また、SWOT分析で、自分の強み弱み、市場の機会脅威を客観視して、マインドマップでアイデアを書き出す作業を繰り替えまします。
キャリアの棚卸
40代50代になると、会社員としてそこそこのキャリアと経験を積んでいます。
また、起業したいと思う人はそこそこ以上に能力があって、独立心旺盛な人でしょう?
当然、過去の仕事では実績を積んできているはずです。
その過程で、身に付けている強みや知識、スキルというものは他人から欲しいといわれるものが多く存在しています。
自分の強みを数値を交えて、できるだけ書き出してみましょう。
漠然とやるよりは、以下のように分析をするとより多くの強みなどがピックアップできます。
1.10代から現在まで、5年度ごとに区切って各年代の強みをピックアップ
2.数字化できる要素をできるだけ見つける
3.趣味や研究など一番お金と時間を費やしてきたものをピックアップ
これをやると、自分の強みが一目できるようになって、自分の特色を出せるようになります。
マーケティング的にいうと、ポジショニング(差別化)ということになります。
自分が考えるよりもスゴイと思われている
自分が持っているスキルや知識は、自分の生活圏にいる間は凄くないと思ってしまいます。
でも、業界を変えたり、招集を変えたりすると、他人がのどから手が出るほど欲しがっているモノかもしれません。
また、「それスゴイですね!」と言われるスキルや知識は、本人からしたら「たいしたことではない」と思い込んでいます。
自分の思い込みで、他人からしたらスゴイ知識やスキルが埋もれてしまうのは、もったいないですよね?!
スキルの棚卸をしたら、それを取りまとめて、ビジネスのメンターに見てもらうのも良いかもしれません。
他者からの客観的な視点を得るのは、起業においてはとても大切な事です。
40代50代のキャリアには宝が埋まっている
40代50代は目には見えない宝物を持っています。
それはキャリアに裏打ちされたスキル・経験・知識です。
それを体系的にまとめて、欲しい人へ届ける事ができれば、それがすなわちビジネスとなります。
起業のアイデアを新規に考えることよりも、自分のスキル・経験・知識を棚卸して、再編成してビジネスにする方がよっぽど楽です。
40代以降はチャンス
特に、40代以降で起業するのはリスクを考えるとしり込みするかもしれませんが、逆にチャンスでもあります。
会社では中間管理職として手腕を振るっている年代であるし、会社の仕組みも分かっています。
また、社会の仕組みも充分に理解していますから、独立起業に必要な資質はすでに身に付いている状態です。
社会の仕組み、会社の仕組み
管理職やそれに近い立場にいる人は、会社の仕組みや社会の仕組みを理解できています。
独立起業すると、広い視野が必要となります。
なぜなら、自分で全ての仕事を回さないといけないからです。
ビジネスが軌道に乗ってくれば、人も雇えるので少しは楽になりますが、起業当初はやはり苦労はつきものです。
だからこそ、会社の仕組みを知っていなくてはなりません。
起業のアイデアは斬新でなくてもいい
すでに市場が存在しているところに参入する事は、レッドオーシャンかもしれませんが、反面、ひとりが参入してもパイをとっていけるだけの空間があります。
起業というと、スーパースペシャルで斬新なアイデアがないとダメ、と思いがちですが、例えばコンサル業は斬新なアイデアは必要ありません。
お客さんが欲しいと思っている情報を提供すれば、ビジネスとして成立します。
フランチャイズに加盟するのも、既存ビジネスです。
若者がチャレンジするITベンチャーは、斬新なアイデアをITを使ってビジネス化するという面では、アイデア次第というのはあるかもしれません。
でも、40代50代はそういった起業の仕方よりは、既存のマーケットに、自分のスキル・知識・経験を体系化して売っていく起業の方がよりチャンスが広がります。
ミドル世代で独立起業している人を見ると、保険営業をしている人は保険の代理業で起業、銀行員はフィナンシャルプランナーや財務コンサルタント、不動産業にいれば宅建を取って自分で不動産業を開業、という事例が目に付くはずです。
起業のアイデアがない、というのはやってみたら意外に「そんなに斬新なアイデアは必要なかった」となるでしょう。
まとめ
起業のアイデアはそう簡単に出てくるものではないですが、思考のフレームワークを使うと整理しやすいです。
40代50代はキャリアがあるので、その棚卸をする事で、自分が認知していない強みを発見できます。
会社員をやっていれば、そこそこ社会の仕組みも会社の仕組みも分かっているはずなので、その知識経験は起業に役に立ちます。
起業といっても、まったく新しい業態やサービスを作り出す必要はありません。
今あるニーズに、自分の強みを加味して商品化するだけで、実は起業アイデアは出てくるものです。