コピーライティングを身に付けようとするのであれば、バイブル的な書籍としてシュガーマンの「10倍売る人の文章術」が良いです。
その良さについて、これからレビューしていきます。
10倍売れるコピーライティングの書き方
本書を読めば「10倍売れるのか」、と言われれば、答えは当然ノーです。
読んだだけでは意味がありません。
すらすら読めてしまいますから、3時間もあれば読み終わってしまいます。
読了の満足感はありますが、この本はそもそも読み終えるために読む物ではありません、というのが率直な感想でした。
それはなぜなのか?
実践を通して発揮する本書の凄さ
まず本書はコピーライティングとはどんなものか、というのを平易な文章と例で示しています。
なのでサラッと読めてしまうんですが、この本は読んだだけではダメです。
実践をしてみて初めて、この本の凄さが分かると思います。
いわゆるバイブル的な本として、コピーを書く時には手元に置いておきたいものです。
なぜなら、コピーを書いている時につまずいたり、誰しもしますよね?
その時に、本書をペラペラめくれば、ヒントが必ず出てきます。
また、この部分の構成をどうしようかな、と悩んだ時に本書をめくれば、書く方向性を示してくれます。
それほど示唆に富んだ本だと思いました。
細かい所はネタバレになるので、まずは本書の構成やエッセンスについて次に書いていきます。
アウトラインの書き方について
アウトライン、つまりコピーの筋書きですが、これは一言で言えば「滑り台効果」です。
第一センテンスを読んだら、次の第2センテンスを読みたくなり、次の第3センテンスにも進んでしまう。
つまり、一度読んだら最後まで読み続けて止まらない、という状態です。
そして最後のオファーまで一気に進んでいった時には、すでに買いたい気持ちになっている、あるいは行動してしまう状態になっている、ということです。
これがアウトラインの理想的な書き方です。
言うが易し、行うは難し、ではありますが、それでもこれがコピーの書き方の理想系ですからね。
当然、その滑り台効果を発揮させるためにシュガーマンは、使えるテクニックを44個紹介してくれています。
44のテクニック
44個のテクニックは全部使おうとすると、覚えるのがそもそも大変です。
冒頭でバイブル的な本と書いたのは、44個を覚える必要がないということです。
手元に置いて、コピーを書く時にいつでも参照できるようにすることが大切です。
コピーライティングの経験者であれば、44個のテクニックのうち、いくつかはすでに使っていると思われます。
とはいえ、それでも自分のスキルを確信するためにも、44個のテクニックを駆使しながら自分のスキルとすることはとても大切だと思うのです。
シュガーマンは、この44個のテクニックを22のポイントと22の心理トリガーに分けています。
次に書いているのがソレです。
反応に差が出る22のポイント
ここに書かれている「反応に差が出る22のポイント」は、文章の体裁や形式に関する物が多いです。
つまり、読んでいてストレスにならない、心地よい状態をキープするものです。
常套句を使わない、とシュガーマンは言っていますが、「今までに誰も目にしたことがない」とか「素晴らしい発明品」とか、誰もが思いつく常套句は避けるべきだと。
考えてみれば、ありきたりの修飾詞を読んで、なんだか「ほんとかよ?」と白けてしまう、なんて経験ありませんか?
商品の説明については、具体的にどのようなモノなのか、それによって世界初になっている、という文章の導きが必要です。
要するに、世界初であればそのエビデンスをこれでもかと解説する必要があります。
もちろん解説するためには、受け手の心に刺さらないといけませんから、相手のベネフィットになるような文章の書き方が求められます。
22のポイントはまさにそういったテクニックになっています。
では次にある22の心理トリガーを見ていきましょう。
役に立つ22の心理トリガー
この22の心理トリガーは、まさにコピーライティングのテクニックと呼べるものだと思います。
「返報性の武器」という本もそうですが、この心理テクニックはまさにダイレクトレスポンスマーケティングの核心部分です。
人は権威性があるものには疑わずに納得してしまうし、限定や締切りを提示されると損をしたくないという心理状態になるために行動してしまいます。
煽るのはよくありませんが、著名なお医者さんが勧めるほど素晴らしい商品であれば、そのお医者さんの推選コメントや感想を添えるだけで、その商品が本当に素晴らしく思えます。
22の心理トリガーを全て使う必要はないと思いますが、それでも切迫性を出すようなコピーは良く使われているし、安心感を与えるために返金条件もよく使われています。
ダイレクトレスポンスマーケティングに沿った広告を注意深く見ていくと、22個の心理トリガーのいくつかが効果的に配置されているのが分かります。
これらをコピーに落とし込むと
反応に差が出る22のポイントと22の心理トリガーを上手にコピーに落とし込めば、反応が高い広告が作れそうです。
コピーライティングは独学で上達するには、自分の感性だけではダメです。
広告というのはお金をかけて効果を挙げていくものですから、効果が出ないコピーではお金が無駄になります。
そのため、広告を作ったら、そのコピーが本当に効果を生んでいるのかを検証する必要があります。
数字で検証できるので、マーケティングは科学と言われる所以です。
コピーラィティングは科学と知る
マーケティングにおいては、広告の出来不出来を判断するために数字で効果を分析します。
その時に、広告に使われているコピーがいいかどうかが分かります。
感性だけでコピーを書くのは危険ですから、常に効果検証しながら広告の精度を上げていかなければなりません。
その時に試行錯誤をしてコピーを改良していくと思いますが、本書が横にあるととても助かるでしょうね。
試行錯誤でコピーうまくなる
とにかく、コピーが上手になるには、試行錯誤を繰り返しながら量をこなすのが近道です。
効果検証をしながら、少しずつコピーを改良していけば必ず効果が出るはずです。
何もない状態で試行錯誤していると、アイデアが煮詰まって手が止まります。
そんな時に本書をパラパラとめくりながら、アイデア出しをすると良いんではないかと思いました。
相手を想像することが一番の近道
コピーを書く時に、ペルソナを設定すると思います。
ターゲットを決めて、そのターゲットとなる人に向けて文章を書いていきますよね?
ペルソナがしっかり設定できたら、22の心理トリガーをその人(ターゲット)がどう動くのかを想像して、コピーを書いていきます。
相手(ターゲット)がこれを読んだらどう思うか、どう心が動くのか、その結果として購買行動に結びつくか、をしっかりシュミレーションすることが大切ですね。
広告はお金を投資しますから、投資したお金が何倍にもなって返ってこないとビジネスが破綻します。
だからこそ、相手を想像してコピーを作らないといけないんですよね。
テクニックだけではやっぱりダメだ
では、テクニックだけで売れるのか?
テクニックはあくまでも売るための導線を作る仕掛けです。
本当に意識しなくちゃいけないのは、自分の商品を買うことでどんな未来を手に入れられるのか、を見せることです。
コピーライティングは行動までの導線がピースとなっていて、パズルを作るのと同じように組み立てることが求められます。
その設計図として、シュガーマンの「10倍売る人の文章術」はとても役に立つでしょう。
これから起業を考えているミドル世代は、本書を買って損はないです。
シュガーマン 10倍売る人の文章術